※テストで保存したものがまた転載サイトに捕捉され、無断転載されたため、急遽未完成ながら投稿することになりました。随時更新中なのでしばらくお待ちくださいorz


第59話が掲載されたのは連載再開した12月であったと思うが、当時ぐらし勢のとある友人から1つのスクショが送られてきた。「てぃさん、いけそうですよ」と名乗りを挙げたのは穹だった。穹は第9巻の考察記事では韓国版のがっこうぐらし!を読んで大学編メンバーの名前の読み方を解析してくださった方であるが、元々考察勢としてこの界隈では名が知られている方であり、私との交流は兼ねてからある。

そんな穹くんが自分の知識では思い付かなかったランダル製薬会社の壁に書かれた文字について考察、解説をしてくださったので、ここからは穹に任せた考察記事となる。

ホワイトボードの落書き


無題232

前置き

がっこうぐらし!10巻第59話「かいしゃ」に登場する壁(通称ホワイトボード)に書かれた式について考察してみました。
ホワイトボードに書かれている数式は元となっているモデルが存在しており、具体的な値もあることから、海法先生が緻密に計算して世界観を作り上げていることがよく分かります。

そんな海法先生からの「解読してみろ」という挑戦状を受け取り、今回考察、解説をしていきます。

解説

これは恐らく“SIRモデル”(感染症流行モデル方程式)ではないかと思われます。

感受性人口(=感染する可能性のある人口)
→    S= Suspectible
感染者人口(=感染している人口)
→    I= Infections
死亡者人口(*)
→    L= Lost
(*本来は死亡者と免疫保持者を合わせてR(=Removed)で表現されるが、今回は免疫保持者がいない前提で話が進んでいるので、死亡者を示すためにL(=Lost)を用いている。)


変数S,I,Lは時間tによるため、以下、S=S(t),I=I(t),L=L(t)として考えるものとする。

モデルの変数が3つの頭文字からSIRモデル(今回はSILモデル?)と名付けられていて、これら3変数は下記のような連立微分方程式で表現される。



dS(t)
dt
=-βS
(t)I(t) …①


dI(t)dt=βS(t)I(t)-γI(t)…



dL(t)
dt
=
γI(t) …③

さらに上記3式の和を取ると、




d{S(t)+I(t)+L(t)}
dt
=0


となり、全人口をNとすると、
S(t)+I(t)+L(t) = N(一定) となる。
但しβは感染率、γは死亡率(**)を示す。
(**本来は隔離率を表している。)
ちなみに、βIは感染力(=単位時間あたり単位人口あたりの感受性人口感染率)を表している。

この微分方程式を解く上で、
経過時間t=0の時、N = S(0)+I(0) とする。(***)
(***経過時間t=0を基準とすることで、その時間における集団内の死亡者は0人として定め(R(0)=0)、また集団内に感染者がいる(I(0)≠0)ため感染拡大すると考えることができる)
まず、I(t)について解くと、
②/①

より、



dI(t)/dt
dS(t)/dt
=



βS(t)I(t)γI(t)
βS(t)I(t)
=-1+γ/(βS(t)) 

から、



dI
dS
=
-1+γ/(βS)

これをSで積分すると、
I=-S+(γ/β)logS+C (Cは積分定数)
初期値は
C=N-(γ/β)logS(0)
よって、
I(t)=N-S(t)+(γ/β)log{S(t)/S(0)}    …④

次に、S(t)について解くと、
④より、
N-S(t)-I(t)=-(γ/β)log(S(t)/S(0))
L(t)=-(γ/β)log{S(t)/S(0)}

S(t)=S(0)exp{L(t)γ/β} …⑤

最後に、L(t)について解くと、



これに⑤を代入して、


ddtL(t)=γ(N(t)L(t)S(0)exp{L(t)γ/β})



ここで、定数k = -L(t)/(γ/β) とおくと、



マクローリン展開

exp{k}=1+1!k+2!k2+

により近似した方程式、




dL(t)
dt
≒γ(N(t)-L(t)-S(0)(1+1!k)+(2!k2))

より、 
L(t)=(式が複雑なので省略)    …⑥
が導くことができる。

また、その他の黒板に書かれていたいくつかの変数は以下の通りである。
接触回数(1人あたりの人間と接触する回数)
           a₁= Contact/Person

触感染確率(1回の接触による感染する確率)
           a₂= Inf. Ratio/Contact

生存率P= Survival Ratio 
感染率Q= Inf. Ratio
死亡率R= Lost Ratio
単位時間(=経過時間)Δt= 1day
(自然集団(=全人口) N= Natural population)

無題231-1


※ホワイトボードにはRatio(比率)と書いてありますがそのまま解釈すると例えばPの場合は「全人口のうち生存者が占める“比率”」となってしまうので、ここはRate(確率)として解釈することで「生存する“確率”」として考えることができる。
なのでβ=Q、γ=R(=Lost Ratio)と定義できるので、




dS
dt
=QSI




dI
dt
=QSI-RI




dL
dt
=RI



となり、lim(Δt→0)ΔxΔy=dxdy より

lim ΔS/Δt= -QSI
lim ΔI/Δt = QSI-RI
lim ΔL/Δt = RI
(Δt→0)
とそれぞれ変形できて、さらに両辺×Δtすると

ΔS = -QSIΔt    …⑦
ΔI = (QS-R)IΔt    …⑧
ΔL = RIΔt    …⑨

⑦と⑨より、⑧は
ΔI = -(ΔS+ΔL)    …⑩

⑦の式より、常にマイナスサインがあることから感受性人口は減少する方向にあることが分かる。
⑨の式より、常にプラスサインがあることから死亡者人口は増加する方向にあることも分かる。
⑩の式は、⑦と⑨の値によって変化する。

黒板に書かれていた公式は以下の通りである。
・生存率= (1-接触感染確率)^(経過時間あたりの接触回数×(感染人口/全人口))

P= (1-a₂)^(a₁(I/N)Δt)

 =e{(ln(1a2))×a1(N1))Δt}


     Δt→0 (マクローリン展開)
 

 

  ≒1+αln(1a2)×a1(N1)Δt}   …
(P=P(t)とすると、α= P’(0)= 1)

・感染者人口増加率= 感受性人口増加率×感染率
ΔI= ΔSQ
   = S(1-P)


  =-ln(1a2)×a1(N1)SΔt}   …❷


・死亡者増加率= 経過時間あたりの(死亡率×感染者人口)
ΔL= RIΔt    …❸

・単位時間あたりの感染者人口増加率= 感染者人口増加率-死亡者増加率
   


dI
dt

=ΔI-ΔL


  ={-ln(1a2)×a1(N1)S-RI}Δt   …
a₁    a₂    dI/dt    ExtinctionDay
6    0.8    9.6             9day
6    0.7    7.2             10day
6    0.6    5.5            11day
6    0.4    3.0            19day

これらの値は





dl/dt≒-l
n(1a2)×a1 が言えます


 






※ExtinctionDayについては現在編集中です。

まとめ
壁に書かれていた落書きは単なる落書きではなく、感染症流行モデル方程式を元にしたものであることが考察できた。その他の数式もそれぞれ意味をなしていて、具体的な数値もちゃんと計算が導けることが分かった。このことから壁の最後に書かれている“NO FUTURE ”が何の根拠をもって書かれたものなのか少し分かった気がする。それと同時に物語は着々とエンディングへと向かっている。

この場を借りまして、ブログへ掲載するお願いを快く了承してくださったてぃさん、考察の査読及びアイディアを提供してくださった匿名希望さん、見てくださっている方々、そしてがっこうぐらし!に携わっている全ての方々に感謝を申し上げます。ありがとうございました。