私はきらら作品については大好きですし、やっていることは応援はします。擁護をするかは別ですが、今回の問題提起は的を得ていないもののとても核心に迫るものだと思います。私自身ここ数日ずっと考えていました。今回の論点整理、これからのきららのこと、ファンとして考えてきましたのでこの場を用いて発言したいと思います。
経緯
①きららフェスタ2017の参加作品が4作品のみ。初回でも5作品が参加していた。
② まとめサイトが「ネタ切れ」という言葉を使って煽る
③一部のオタクが鵜呑みにして語り始める
今回扱う話は
1.イベントでの参加作品が4作品だと何故ネタ切れという扱いになるのか
…毎年参加している私の反論
2.ネタ切れという言葉はニュアンス的に正しい
…円盤の売上が落ちているという点では否定は出来ない。アニメ化する作品の質をあげる必要がある
3.きららにおいて、何をどうしたら成功なのか
この記事はいつも見てくださる方とは違う方に向けた記事ですので、まずは自分の自己紹介をします。
まんがタイムきららが好きなオタクです。きららの単行本はけいおん時代から買い始めました。ハナヤマタがキッカケで月間雑誌きららフォワードに手をつけ始め、受験があって買えていない期間もありましたが以降4年半、きららフォワードを購読しています。MAXはこみっくがーるず、ミラクはうららの影響で最近買い始めました。
一番好きな作品はがっこうぐらし! です。個人的にこれからアニメ化するだろうと思っているのはスロウスタート、こみっくがーるず、はるかなレシーブ、なでしこドレミソラです。
2017/6/19追記:スロウスタートもこみがもアニメ化決定しました。
2017/7/24追記:はるかなレシーブもアニメ化決定しました。
では本題に移ります
1.イベントでの参加作品が4作品だと何故ネタ切れという扱いになるのか
去年がおかしいほど作品が詰まっていた程度に私は考えています。
きららフェスタに行ったことがない方向けに解説します。
きららフェスタとは?
芳文社 まんがタイムきららのアニメ化作品を集めたイベント。声優イベントと思った方が分かりやすい。声優が生でキャラになりきって物語を繰り広げる朗読劇、アニメで結成されたユニットでopなどを歌うライブ、声優全員でゲームをしたり、きららアニメだからこそ出来ることを毎年6月に開催しています。初開催は2014年で、ちょうどハナヤマタが参加だったのもあって、ここ3年毎年参加しています。今年もプレオーダー申し込みしましたので受かれば行きます。
しかし現段階で発表されている今年の参加作品は4作品のみ。ではここで毎年のラインナップを見てみましょう。
初回:2014年

5作品
2015年

6作品
2016年

8作品
2017年

4作品
確かに減っています。私もそう思います。しかしそれがネタ切れに繋げるのはおかしいですね。
内在的に抱える問題があります。
①声優のスケジュールによって参加する作品が左右することがある。
声優は分裂しません。1人しかいないのでイベントブッキングしたらどちらかに参加するしかありません。今回、それに当たるだろうと言われているのは西明日香(きんモザ)、小澤亜李(がっこうぐらし等)辺りですね。どちらも作品に、ユニットにかかせない人なので欠席なら作品全体で発表は難しいでしょう。きんモザに関しては綾と忍がいないのはなかなか痛手ですよね。
②昨年は余りにも参加作品が多すぎた
行った方は察したと思うが各作品の持ち場、イベントコーナー、ライブという詰め込みすぎたラインナップでした。行ったことない人が8作品→4作品になったことを数の推移でしか見れないのは当たり前で、我々は数を減らしたことにまず「去年多すぎたしな」って思ってしまいます。
③アニメ化決定しているブレンド・S、ゆるキャン△の紹介コーナーが作られたら例年と同じくらいになる
次に行われているアニメを宣伝するために儲けられる作品紹介コーナー。一昨年はがっこうぐらし!、わかばガール、ダンデライオンがその枠だった。この紹介コーナーを例年通りにやれば同じくらいの作品数になります。現在アニメ化発表されているブレンド・S、ゆるキャン△も恐らく参加するだろうというのが私の見解です。
しかし去年と異なることがあり、それは今の時点で発表されていないという点です。既にチケットは発売している。それなのに何故…?と考えたところ、昨年のステラのまほうのキャスト発表みたいにシークレット枠で参加することが考えられるのではないでしょうか?
真面目な話をすると、新規作品の段階で集客効果はほぼないです(NEWGAMEを除く)。私は両作品とも読んでいるし、大好きですが、連載を読んでいて大好きだからって理由で参加しているって人はかなり少ないと考えている。それならいっそのことシークレット!として当日発表の方が感動があると思う。印象にも残ってアニメの期待度も高まるのではないでしょうか?
これらの要素があっての縮小なので4作品に減った→ネタ切れと繋げるのはどうかと思います。実際にこれを鵜呑みにして、ライトの層がツイッターでネタ切れだと語ったりとして、きららサイドに不利益なことを起き始めています。
私はこの度記事を立てたのはこれを言いたかったからではありません。まとめサイトが煽り記事を立てたのは悔しい話、強ち間違っている話でもないと思ったからです。もちろん、前述した通りきららのイベントが縮小されたからと言ってネタ切れと断定するのはどうかと思います。しかしこのネタ切れという話はニュアンス的には否定することは出来ません。きららアニメは売れなくなりつつあるのです。
2.ネタ切れという言葉はニュアンス的に正しい
きららアニメの売上を見てみましょう。
※(平均)というのは全巻売上平均枚数のことです。うらら迷路帖だけまだ全巻発売されていないので2017年4月現在での平均値です。
2014春
こ注文はうさぎですか?…11038(平均)
2014夏
ハナヤマタ…3508*(平均)
2015夏
がっこうぐらし…2426*(平均)
2017春
三者三葉…2099*(平均)
あんハピ♪…1106*(平均)
2017夏
NEWGAME!…5864*(平均)
2017秋
ステラのまほう…631**(平均)
2017年度冬
うらら迷路帖…885*(2巻までの平均)
推計されていないものもあるので正確な数値ではないですが、減っていることが分かります。NEWGAME!は前々から大ヒットと予想されていましたが、売上はごちうさに並びませんでした。個人的に大好きで、売れると思ったうらら迷路帖は1000枚切り…
確かにけものフレンズに持っていかれたと思いますが、それならがっこうぐらし!が爆死した理由はなんでしょうか?
深く考えたとき、きららアニメの「女の子に萌える日常系」というのがアニメ化するにおいてはイマイチになりつつあります。私は書店員なのでアニメ化後の本の売上がとてつもないのは知っています。しかし円盤が売れなければ製作会社からのオファーは減ることでしょう。赤字になる作品を作りたいとも思えません。
最近アニメ関係者のお話を聞く機会がありまして、今の円盤商法について詳しく話してくれました。最近、得しているのは製作サイドではないそうです。紙媒体、出版社だそうです。アニメのBlu-rayは売れないのに原作はメッチャ儲かるそうで、俺たちは全く儲からねえって嘆いていました。そのため、最近はオリジナルアニメが増えているのです。原作があると原作を買ってしまうので、売れない。だからアニメ化は自分達で立ち上げるって発想になっていけば原作を提供していた側の立場が小さくなり、結果アニメ化が少なくなるという点でこれから縮小していくのだろうという見解は筋が通っていると思います。
では何故売れないのか?アニメが多すぎるなどは全アニメで言える別の話ですので置いておいて、一番問題なのは客層の年齢の低下です。中学生~大学生が多いですが、中高生は毎月円盤を買い続けるだけの経済力はありません。7千円の円盤を半年買い続けるなんてバイトしている大学生ではないといけません。そして大好きな作品でないと買い続けることは出来ないでしょう。私も今うらら迷路帖のマラソンを開始していますが正直別作品の円盤を買い続ける余裕はありません。
けものフレンズは低予算アニメだったので円盤の値段を3500円にしてガイドブックとして発売することができ、これが金銭的に余裕がない学生も買いやすくなり結果10万以上も売れるという稀に見る大ヒットとなりました。がっこうぐらしで同じことが出来たとは到底思えません。今こそデジタルに移行しつつあるラルケですが、がっこうぐらしを作っていた時代に3500円で、あるいは特典を沢山つけて還元するように円盤を売っていたら間違えなく大赤字でしたでしょう。がっこうぐらしの失敗について、視聴者と制作者どちらも教訓として受け止めたおかげでけもフレは売れた、けもフレはがっこうぐらしを踏み台にしたなども言われていますが私はこれを否定しませんし、本当に作用したならしばらくはアニメというコンテンツに多大な利益が出るでしょう。
問題はこの客層の低下による円盤が売れないという件についてどう芳文社が立ち向かうかです。
この答えの1つが今季アニメサクラクエストではないでしょうか?
この作品はP.A.WORKSが製作していますが、珍しくきららアニメとして位置付けられています。P.A.WORKSはブランド力が高く、作品のクオリティも高いですし、多方面、老若男女に支持されている製作会社です。ブランドを大切にする企業なのできららフェスタにはサクラクエストは不参加だろうと私は思っていました。しかし今回きららフェスタに参加することとなりました。 これはとてつもなくデカイことです。Shirobakoを見ている層に近い人たちがイベントに参加することになるのです。そしてきららフォワードではお試しとしてサクラクエストのコミカライズが掲載されたり、5/12にはその単行本、7月には外伝が発売されます。きららフォワードは今とてつもなく質が高い連載誌です。きららにとって新しい客層を獲得できる絶好のチャンスです。これからも製作会社との提携を大事にするなど、ターゲット層を拡大していくでしょう。
個人的ににらんでいるのは京アニとの提携です。秋に京アニで何か発表あるとの噂なので、芳文社とは限りませんが楽しみにしています。
また、今まで以上にアニメ化のハードルを高くするはずです。最近は毎クールきらら作品を放送していて、一年に一回はきらら無印、キャラット、MAX、フォワード、ミラクで必ずアニメ化作品を作っているくらいです。これからはアニメ化作品を減らし、収益が取れるごちうさ、きんモザ、NEWGAMEの続編などを手掛けることが多くなると思います。私はそれを否定しません。雑誌の方に新規が来てくれたらきららコンテンツは間違えなく伸び続けますし、新しい風を起こす作品というものが増えることでしょう。
がっこうぐらしがアニメ化されてから「きららフォワードは実験場」とかよく言われていましたが、最近まさにそれになりつつあります。ハナヤマタのような部活、お仕事系が増える一方でいつか私は、君を裏切るのような頭おかしい(誉め言葉)作品が出てきています。
読者からの今のニーズというものを理解した上で変わることの出来るまんがタイムきららは時代と共に成長していけると私は確信しており、今後ネタ切れなど起きる必要もなく、マンネリ化も少ないでしょう。問題は既存のニーズから現在のニーズへとどうやってシフトさせていくか、いわば萌え漫画ビジネスに依存せず、少しずつ新しいきららを作って貰いたいと思います。
3.きららにおいて、何をどうしたら成功なのか
連載誌はどれも非常にクオリティが高いです。特にスロウスタート、こみっくがーるず、はるかなレシーブ、なでしこドレミソラに関して言えば数話読んだだけでアニメを想像したくらいです。
きららフォワードに関してはとりわけ詳しいのですが、フォワード全体で各作品のクオリティが高くなりつつあります。下手すると他の出版社ではアニメ化するだろって作品が打ちきりになるレベルです。これからフォワードはハナヤマタ、あんハピ、ちょっといっぱいなどを引き連れて分裂する可能性もあります。それくらい質は高いです。
しかしこれからはアニメ化の質をあげないといけないと思っているので、激戦区になると予想されます。 今まではアニメ化出来たような作品もこれからはアニメ化出来なくなるかもしれません。
そう考えたとき、果たしてきらら漫画において何をしたら成功だと思って良いのでしょう?
これまでは間違えなくアニメ化でした。がっこうぐらしにおいてはアニメ化したことによって200万部突破しました。 しかしこれからアニメ化が減るなら別の成功を作るべきだと思っています。
月間誌において、近年きらら作品はアニメ化するものくらいしか表紙をとれなくなっています。アニメに重点を置いているからです。ではこれからはどうすれば良いのでしょう。言い方は悪いですが、今の現状は客寄せパンダです。動物園に来場させるために、パンダを見世物にするのが最適だと思われている現状をどうにかしないといけません。現状それが最適だと思われていますが、サーバルキャットのような今までに注目されていなかったが、別の形で宣伝されれば客がドタバタと集まるようになる動物がいるはずです。
私がいつも思っているのはきららフェスタは何故声優ライブに拘るのでしょうか? 今やっているのはアニメ声優フェスタです。求められてきた
ニーズが声優イベントであるからだとは思いますが、これからはアニメ化していない作品が目立つ場を作っていただきたいと願っています。徐々にでも構いません。会場で単行本のフェアをやったり、サイン会など、今まではコミケやマチアソビでしていたものを関連付けることは出来ないのかなぁと思っています。
もちろん、私は芳文社のことはファンとしての知識しかないので、提示したものが的外れか意見かもしれません。しかしこの方法は、表紙で、声優で、客寄せをせずとも、アニメ化を乱発せずともコンテンツが反映していく方法の1つではないかと私は思っています。
そうなっていくとこれからの成功というのは単行本の売上になっていくと思います。アニメ化せずとも、連載誌で絶大な人気を誇っていて、単行本もアニメ化後くらいに安定的に売れないといけません。あるいは単行本で何か付加価値をつけることのビジネスがないといけません。
これってなかなか難しく、今きららではニコニコ静画と提携したきららベースというのを開始しています。web漫画みたいにwebで無料できらら作品を見れるという作品の知名度をあげる取り組みなのですが、まだまだ知名度は低いです。雑誌を購読する余裕がない方でもきららベースに触れていただいて、面白い作品との出会いを交えて単行本を買い出すというのが理想かもしれませんが、まだまだ始まったばかりですし、決定打とはならないと思います。アニメに頼りすぎず、漫画で戦う作品が今必要なのではないでしょうか?
例えば個人的に推している作品「なでしこドレミソラ」は私の周りではアニメ化すると騒がれていますが、この作品はアニメ化しなくても最強のきららフォワード作品になると思っています。
音楽漫画なのですが、表現方法がとても独特で、演奏描写で全く♪マークを使わず、和を散りばめることで曲を力強く表現しています。キャラの視線を使った表現もとても上手く、アニメ化しなくとも既に名作と成っています。原作2巻発売時には既に渋谷で原画展が開かれたり、これは間違えなく「成功」です。なでソラみたいにアニメ化しなくとも既に評価されるような作品がドンドン増えていけたら良いなと思っています。
終わりに
「きららフェスタの参加作品が減った!ネタ切れだ」←おかしい
「美少女萌えアニメにマンネリが来ている。このまま同じ商売は出来ない」←間違っていない
ということをこの記事でお話しました。きららフォワード電子書籍の時も色々話しましたが、私はきららが何かを始めようとしたら応援できるようなファンであり続けたいと思っています。たまにこうして、否定的なことも投げかけますがこれからもアンケートを沢山出すなど、精一杯応援していきたいと思います。
肯定、否定関係なく、コメントでご意見お待ちしています。